逆光だから撮れる写真 ~太陽に向かって撮る~

「あー、逆光だわ」
といえば、普通は「逆光だからちゃんと撮れないわ」、という意味ですね。

しかし、逆光こそ実は使えます。
日常生活やちょっとした遊びで見える景色に、僕たちはすっかり見慣れていて、ちゃんと写っただけの写真で感動するのは難しいのです。逆光は、そうした景色に加えるひと工夫として最高です。

この記事では、昼間の屋外で撮る逆光の効果について書きます。
カメラの露出設定ごとに、3段階の効果を並べてみました。

ポイントは①光が主役になる ②想像の余地が生まれる の2つです。

太陽逆光の2つの効果

逆光とは、カメラから見て、被写体(撮るもの)の奥に光源がある状態のことです。晴れた昼間なら、太陽に向かってカメラを構えた状態です。
(逆光とは:http://www.sony.jp/support/ichigan/enjoy/photo/word2.html


太陽はこの世で最も明るい光源です。逆光では、太陽光が直接カメラに入ってくるため、光そのものが写り込み、主役級に目立ちます。

被写体
被写体のカメラ側の面には光が当たらず、光が差している部分との明暗差がとても大きくなります。結果として、くっきり/はっきりは写りません。
しかし、しっかり写るよりも人の想像の余地が生まれ、魅力的に感じられることが、ままあります。

明るさ別に、実際にどうなるか見てみましょう。

明るく撮る場合

晴れの日に直接太陽に向かい、露出補正をEV +1.5~+3くらいに設定するような状況では、とても明るい写真ができます。

画面全体がまぶしい光に包まれ、光そのものが主役であるかのように目立ちます。
被写体は光に呑まれ、ふんわりと白っぽく写ります。

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中くらいの明るさで撮る場合

雲間や木々の間からのぞく太陽に向かい、露出を被写体が暗めに写るくらいに設定すれば、中くらいの明るさの写真ができます。

光は目立つアクセサリーくらいの存在になります。

被写体の方は、暗めに、やわらく映ります。

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CIMG7454

 

ミレーの「晩鐘」は、左斜め奥に太陽がある、半逆光の絵です。主役の2人は暗めに描かれ、表情がはっきり見えません。だからこそ、見る人がかれらの気持ちをすごく想像するような気がします。
bansyou

 

暗く撮る場合

露出補正を被写体が真っ黒になるほど下げれば、光はあまり目立ちません。
被写体はほぼ完全なシルエットになり、形だけで語ることになります。

シルエットが面白い時や、

DSC01099のコピー_edited-1

被写体の様子をひたすら想像してほしい時に使えます。DSC09803のコピー

 

アニメの例

光を自由に決められるアニメでも、太陽逆光は避けられるどころか愛されています。
例えばアニメ「Angel Beats」のオープニング映像。このアニメは高校が舞台で、普通に描けば特別に目を引く場所ではありません。それが太陽光の逆光を多く取り入れることで美しく飾られています。

太陽の位置を気にして見てみてください。

無題2
Angel Beats! OP

 

まとめ

多くのものが、順光より逆光で美しく見えます。とくに、順光で普通に撮っても感動しない場合に逆光はとても有効です。走り回ったりしゃがんだりしながら、あえて太陽を被写体の後ろに入れて撮ってみませんか。

 


補足 カメラの設定について

少しいいカメラには沢山の機能がついています。
しかし、このブログで書く撮り方については、基本的に複雑な設定はいりません。
P プラグラムオート で
EV 露出補正 が使えれば十分です。

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